元気・やる気・景気
 一体、「気」とは? 気合いに気力、合気、気功、意気、気位、本気、狂気。 
 低迷する経済と景気の悪い日本に、いきなり救世主現る。
 今回のWBCの優勝で、経済効果は数百億円になるのだそうです。 とするとたかが野球、と言えたものでありません。  スポーツ関連のミズノなどはともかく、日本の株価まで上昇したというのも摩訶不思議。 人間の気分とは何? その気 にさえさせるものがあればどんどん変化するような、案外単純なものだとすると...。 

 なにしろ日本の野球が世界大会二連覇、ユニフォームの日の丸のなんと誇らしかったことか。 エンパイヤステートビルの照明も、日本国旗の2色に染まった、嬉しいなあ! 全国がみな弾けています。 これが持続してカンフル剤となり、景気が持ち直すなら全く有難いことですが。 神様が降りた、、と口走った人間イチロー選手も、苦しんで谷を登ってきた。 それにしてもあんなに無邪気で嬉しそうな彼の笑顔を、今まで見たことがありません。

 
 ともかく野球はどこか紳士(サムライ)的、それに日本は技も多く確かに強い。 納豆の粘り? 自然薯のパワー? 餅の力かマグロのおかげでしょうか?  あんなにハードな動きの日本選手たち、みんなボデイがすらりすっきり、脚が速く刺すのもすばしこい。 見慣れたせいだけでなく肉肥りの大男たちと比べ爽快。 勝負師として顔に変な欲が見えず、奢らずに謙虚にみえた。  自分さえよければー、の目立つ昨今、「日本のため、日本人のためにに闘った」なんて言い切る若者集団がいるなんて。
 ええと原 辰則監督にはいずれ、文部科学大臣になってもらいたい。
  
 
 
つい数年前は、プロ野球は祈りのミサンガなどを身につけるほど、サッカーに押されたか存続も危ぶまれていた。。  でもこれで少し見直されて、野球少年も増えてくれるでしょう。 しかし、青木たちもいたあの北京五輪は...。  3.26(木)



村歌舞伎の映画『Beauty』
 首を長くして待っていた映画が全国上映中です。 予告編で見るのはほんの一部、黄色いれんぎょうの花を抱くこの舞台の老いた役者さんは、何の場面? 
 これこそこの映画の見せ場、片岡孝太郎さん演じる80翁の半次、引退の舞台でした―。
http://beautyweb.jp/index.htm
 地方の村歌舞伎に興味を持った13世片岡仁左衛門の本歌舞伎の孫たち(片岡孝太郎、愛之助)が、村歌舞伎の役者を演じ、戦争で失われた村芝居と仲間たち、郷土への愛の物語を見ごとに演じています。
 舞台と違い映画は、役者の表情や衣装の隅々まで見えるので、人間的な親しみを感じます。 

 昭和10年の長野県伊那路村では、村歌舞伎の稽古が始まっていた。 雪夫と歌子は子役の花形、木地師の孫、半次は舞台に憧れるが祖父は許さない。しかし歌子が病気になり、半次と踊りたいと、雪夫の希望が叶うことになる。 ここで、地元の少年たちの演じる、子役の白塗りの演技が可愛い。
 十年後、半次・雪夫・正男の3人は村歌舞伎の花形となり活躍するが、次々に、召集令状が届きやがてシベリア抑留者60万人の中に入れられる。 戦争のため雪夫は目を痛め、正男は栄養失調で命を落とす。 ロシア兵の扱いは信じられないほど酷く、衰弱した雪夫は隔離され、戦没者の丘に葬られたと半次は知らされる。 

 一人やっと帰還した半次だったが、既に祖父は亡く、家を村人と歌子が守ってくれていた。 ぼろぼろになった村歌舞伎を、半次を中心に村人は必死で甦らせるが、その舞台をそっと聞く盲目の男がいた。 別の村歌舞伎で、雪夫そっくりの盲目の歌舞伎役者がいると聞き、半次はそこで、死んだはずの雪夫を見つける。やがて二人は...。

 時は流れ役者として最後を飾る引退の舞台に、雪夫の衣装をつけ踊る半次。 若い日の二人の芝居を思い出しながら、袴の紐も切れ、裸足となってもひたすら踊る半次。 村人の観客は初めは笑いこけるが、その姿に感動沈黙し、降り出した雪空のもと、着せようと上着を投げかけ真剣になって、半次を励まし拍手するのだった。

 
孝太郎さんは人気高い現仁左衛門さんの長男ですが小柄な女形役者、立ち役は、血縁でないのに仁左衛門そっくりと評判の義理のいとこ、愛之助に譲っています。 でも地味に見えても松嶋屋御曹司、老け役も演技も並の役者でないとわかりました。
 孝太郎さん迫真の、老いた役者の舞い姿には涙が出そうになる、前回上映終了後出てくる観客の感極まった表情の意味がわかったのでした。 またこの映画は、美しい南アルプスのふもとの大鹿村を舞台にした、反戦の映画でもあるのです。  映画づいた愛之助は『私は貝になりたい』でも軍人役で出演し、‘戦争は本当に哀しいもの、絶対嫌だ’と述懐していました。

 温室育ちでも聡明な上方歌舞伎の孝太郎さんが、「この映画のおかげで、歌舞伎は自分たち(中央の本歌舞伎役者)だけのものではなく、日本人皆のものだとわかった」と言っているのが嬉しいです。
 とにかく『新口村』での二人の美しい舞姿は、えもいわれぬ情感に溢れ、舞台でも必ず見よう、と闘志が湧いてきました。 銀座シネパトス1ほかで上映中。 ぴあ によると、ロードショウ劇場外なのに現在、満足度3位の映画だそうです。
3.21(土)




遊びをせんとや生まれけむ
 
                     

 3月14日ではなこ・ナターシャは12歳になりました。 なんと速く、沢山の時間が過ぎたことでしょう、こんな狭いところが走る体形したこの子の世界だったかと、申し訳ない気もします。でも、室内飼いだからこそ、猫は長く生きてもいられる。 外は猫嫌いもたくさんいる、病気や事故の危険も多い―。 

 今日は一足遅れのバースディ、はなはささみボイルとチーズ、私は チキン山椒マヨネーズ焼き にしよう。 春のお花も増やそうね〜。
(結局私がたくさん食べるのダ)

 それにしても手のひらに乗るくらいの子猫が、今じゃ睨みのきく雌猫になりました。 朝寝坊していると起こしに来ます。 お腹に乗ったり肩をガジガジ、それににゃあにゃあと区切りなく騒ぐので寝ていられない。 最近また夜型になっているので起きるのが遅いのですが。
 早く起きて植物に水やりしろ、動物はお腹すいた〜ってか、まあ五月蠅いことうるさいこと。 これがもう十二年ね...。 
 でもいつまでも、めす猫は小顔で仔ネコのままみたいで可愛い。  ミーシャは頭とほっぺがとても大きくなって、旗本退屈男並みの立派な顔になった。 でものんびり型、喧嘩するといつも負けて逃げ帰ってきたのでした。 諸羽流セイガン崩しの剣法でも教えとけばよかった。 二匹でやりあったらきっとはなこの勝ち〜。 彼が生きていたら今、16歳でした。

 ネコやイヌと暮らしておバカになり、みんなで遊びの達人になろう。 動物と暮らして花粉症をなくそう。
 酪農家、動物が身近にいる(た)人たちは、花粉症にならないそうですね。 ヒト以外の哺乳類の持つ何らかが人体に影響して、生体防御のためのアレルゲン(アレルギー物質)を抑える抗体を作る、とかいうことは分かっているそうです。        3.17(火) 




青春歌謡だっ!
 日曜夕方の郊外の公会堂で、懐かしい青春の歌を聞いた。『橋幸夫と歌仲間たち―青春歌謡黄金時代―同窓会コンサート』 でした。 


 
麻丘めぐみはちょっと下の世代? 私の同窓生は小川知子、黛 ジュン、三田 明。 明ちゃんは地元昭島市の生れで、昼は母校八王子高校の恩師や仲間がきて応援していたそうな。 話が地元っぽくてお客は大喜び、仕事でなくてなんだか宴会みたいだなあ、と、元祖美少年はいい感じに年取っていました、歌は皆なつかしいし。

 『美しい十代』が美しいン十代になって、客席に降りるのに、細いハイヒールの歌手たちにハラハラするときも。 一番若々しく見えたのは最年長、座頭の橋 幸夫。 細かく気を配り階段で手を貸して彼女らを支えようと顔も真剣でした。 

 何時かテレビでジュンちゃんは、あのねえ、あたしもう体ぼっろぼろよ〜、などと言っていたけど脚線も細くスラリとご立派、ただ、階段降りるときにはさすがに不安が過った。
 知子ちゃんはそばまで来て、『初恋の人』を歌ってくれた。 腰を痛めているというのにサービス心旺盛、もう若くはないが、芸能人の顔は見られることで磨かれてきている、とても奇麗でした安心した。
 橋さんのお話には温かい人柄を感じる。 健康的な人で、盆おどりに振りつけてボンダンス、お達者クラブみたいなお客が多いから、みな立ち上がってボン・ダンス、いい動きだけど、帰ったら忘れてしまった。 ジュンちゃんと同じだ、物忘れがひどくなっている、気分は十代に戻ったのに。

 『佐久の鯉太郎』『舞子はん』の時は、絹ずれの聞こえそうに美しい墨色ぼかしの着物、白い献上の博多細帯を男結び、17歳のデビュー時と声がちっとも変わっていない。 夜は何も食べない、と、健康維持は並みでないらしい橋 幸夫、素敵だ。 
 
 駅まで歩く夜道、私よりも年長らしい女性二人連れたち、「ああ、よかった〜」「うん、うれしかった、よかったねえ」と話し合っていた。 ほかにも、「しあわせ〜、嬉しかったね」「うん、綺麗だったね楽しかった、幸せ〜」と会話が聞こえた。 なんて可愛い素直な会話なのだろう、私は聞きながら思わずにこにこしてしまった。
 まばゆい衣装と舞台、楽しいお話、懐かしい歌たち、こういう何でもないものが私たちには大きな楽しみ、何だか幸せにさせてくれるものなのだ。 期待以上に楽しくて、私も幸せでしたっ、歌っていいものですね、同世代っていいなあ〜。 

 同窓生のみなさん、これから二十年は体を大切にして、ずっと聴かせてくださいね。 3.10(火)




蒸気機関車
 1976年の三月に、国鉄の蒸気機関車は北海道を最後にすべて引退した。 それが今になり、機関車を動かす人を養成し蒸気機関車は、観光のためにも記録のためにもずっと、保存することになったのですって。

 新宿→糸魚川を走る中央本線では、1964年までけなげに働いて高校1年の初めの半年ほど、この汽車で通学をした。 まだ単線で、スイッチバックの駅もあるから、初めて乗るらしい観光客、旅行者たちが、いきなり引き返すのにびっくり、わ、何だ〜、と驚くのがおかしくておかしくて、ははは。

 
 蒸気機関車はばんえつ線を週末にだけ走るそうだが、あの懐かしい汽笛は近くで聞いてみたい気がする、平地ではどう走る?  
 山岳地帯では、急勾配にくると息(石炭)切れしてシュッポ、あ、シュポ!と、同情したいほどに本当に苦しげに喘ぎ登り、トンネルに来ればブゥオ〜、窓を閉めろ〜い、と警告する、煙で乙女の顔が黒くならないようにね。  あいつは生きもののようだった、とかつての機関士が言ったのは真実でで、乗るものと一体化した、人間の気配のする乗り物なのだった。
 ホームに煙を吐いて入ってくる巨大な黒い顔は、頼りになり何処にも自由に連れて行ってくれるオヤジさまのようだった音の楽しいSL。  が、石炭の小さな粉が目に刺さり目医者に行ったことなどもありました。

 最近は懐かしい時代の再現がやけに多い、それは、昭和20、30年代への回帰願望でしょうか。 過ぎたものたちはもう水の流れとおなじ、還らないものですが―ね。   3.3(火)





勧進帳』
 二月は歌舞伎は歌舞伎座だけ、大入り満員です。不況だと身近な映画や芝居で楽しむ傾向になるのか。 アカデミー外国語映画賞を取った「おくりびと」、日本中の映画館は大変な入場者数になっているそうです。 父母のあの時を思い出す私にはまだ、これは見ることができませんが。
 
 24日楽の前の日、全席指定なのに押すな押すなの暮れのアメ横のごとき歌舞伎座は何時にない大混雑、人ごみで売店にもたどり着けない状態でした。

 噂の中村吉右衛門の『勧進帳』を見て、江戸歌舞伎の頂点にいる役者なのかな、と思えるほどによかった。 六十代半ばも過ぎての、この弁慶のダイナミックさと若さは大変なものです。 自尊心も努力も、並ではない人のようですが、とにかく見せます泣かせますの大舞台。 播磨屋〜、と大向さんもすごい人数でした。 あの鬼平を思い出す、ちょっと気障な前に出たセリフ回しがなんとも言えない。 姿も顔の表情も大きく美しく、吉さまファンは多いですね。

 艶やかでかわいくてお肌ピカピカの上方歌舞伎の坂田籐十郎は、喜寿を過ぎてますます研究熱心だし、この世界はサラリーマンとは比べれませんが、でも同じ人間ですからねー。
 25日間をほぼ一年を通して、毎日毎日この動きと緊張を続けている役者さんには、老いや病の素が寄りつかないのだろう。 一般人は還暦だ古希だとおお騒ぎし、あちこち不具合を意識する弱気の時、虎視眈眈の病気の神さんに取りつかれるのか、用心用心。。

 しかし、今年のお江戸は何か月も愛之助がいない。 楳茂都さんちに縁ができてますます畿内に張り付きそうです。 浪花の華 の主人公にでもなって、ナレーションでなくお姿が毎週見れないものか。 お座敷犬風貌(失礼)の主役続き、犬ならシェパード、カラフト犬らが、時代劇にはピッタリですが―政界とおなじ今の世相なのでせう。 

 夢よ再び、愛之助で『五稜郭・榎本武揚のその後』、とかいうTVドラマをやってほしい。 歌舞伎座などへ行けるのは、都市にすむ人だけのもので不公平感にさいなまれます。 
2.25(水)



 

寒い日にご用心
 あったかい日があっても二月です。 
ある日外に出たら、北風が冷たい。 店に着いたら頭が痛くなった。 耳も出しマフラーもなく、ちょいと出かけたのは外は温いと思ったため。 仕事を辞め毎朝出かけないとおかしくなるのは、外気との差に気付かないこと。 冬の我が家は温室状態が多いので。

 とにかく沢山の毛細血管が表面にある頭を冷やすといけない、石頭のロシア人も、ラッコの毛皮などで頭を覆っている、彼らは寒さの恐ろしさを知りつくしているから冬の衣類は贅沢、そう豊かでもない国なのに毛皮は日常着です。 私も昔平凡な毛皮を買ったのですが、しまったままに。

 コートのフードで頭をぬくめたら、やっと治ってきたけれど、普段に頭痛はないので不安になったのだった。 若い時仕事帰り地下鉄までの北に向かう道が、八ヶ岳おろしと同じくらいの冷たさなので、うさぎの耳環を付けて行き仕事場で大受けした、おお、中学生ですか、と見に来る人もいた、人気者は大変だったわな。
 今も昔も人の目はもうどうでもいい温きゃ何でもオーケーです、中高齢のみなさん、薄くなってきた頭を冷やしてはいけない。  お部屋も暖かくしないといけない、貝類はよく熱を加えないと免疫力が転げ落ちるように低下しているからもう危険です。 ちょっとの油断が大敵なのです。
  

 というわけで、用のない寒い日は部屋にこもり、クッキーを焼いてみた。 見栄えはともかく、二枚でお腹が膨れる大きさ、おいしい。 クッキーというより私のは、味も大きさも鎌倉の鳩サブレ並みになりました。 今朝は朝食に使いました。 モーニング紅茶はお徳用からプリンスオヴウエールズに変更。 節約もほどほどにしないと潤いがなくなり、淋しい〜。 バターも灯油も値下がりが嬉しいですね。

 市販の粉にバターと卵を加えるだけで、オーブンで焼き上げる手軽さがいいです。 バタークッキーは発酵もしなくて済むからパンより簡単に作れ、気に入ってしまいました。 でも、レシピのバターの量があまりにも多すぎるので、半分はオリーブオイルに勝手に変更しました、よりヘルシーかも。

 きょうはにゃんにゃんにゃん、ねこの日ですね。 ちびのはなこは来月12歳になります。人間年齢見事な中年、パッチリお目目に最近、朝の眼やにがある時が。

      
   くんくん、今年の梅はお花がすこしだ。 高齢化?肥料? 2.22(日)






半世紀
          
 
 テレ朝と東京タワーは50歳になりましたね。 で去年暮れにイルミネーション輝く 
 50 を見てきました季節はもう春ですが。 
 できたてのタワーに、小学校の修学旅行で訪問したのも半世紀も前、人生五十年、ともいいます。 何か小さな自分の歴史を重ねてしまう、幼な馴染の東京タワー。 タワーよりも年長になってしまったか。

 50年経てば人間もほとんどは、オーバーホールしたい心と体になる。 金属疲労に肉体疲労...、タワーもいつも塗り替えたりのメンテはしていたようです、頑張っていたのだー。 
 でもすでに用が足りなくなってきて新しいタワーを木場?のほうに作るとか、世代交代、はもう日常茶飯です。

 お手本にしたというパリのエッフェル塔は、百年たっても第二を作る気配もなしに、辺りの景色も東京ほどは変わっていないと思う。   パリでは二百年以上も前の石作りの家にもまだ人が沢山住んでいる。 地上げ屋もいないらしい。 塔のある場所も、平らでかなり広々していました。

 人が都市に流れ込むのはアジアの特徴です。 欧州は土地が狭く、都市も広くないから、住む人を制限し建物も規制が多く古いものも大切に使う。

 簡単に家を建て替える日本は、彼らの目にはインドネシアなどのバナナの葉の家の国とかわらないかもしれない。 そういうアジアを、まあ好きですが。 2.16(月)



 

〈はなこのひとりごと〉
 風は吹いてもなんだか暖かい冬です。
 おしゃべりミーシャはいまパソコン嫌い、でもユーチューブ大好きで「お島千太郎旅歌」、「ひばりの佐渡情話」など聞いてはうっとり、三波春夫の「俵星玄蕃」はもうひたすら、傾倒。

 ♪今宵なごりに観ておけよ
  俵くず〜し〜の 極意の一手
  これがはなむけ 男〜の こころ

なんちゃって。 男歌が好きなんですねえ。 
 先週は橋 幸夫の「おけさ歌えば」、佐渡おけさも入り大映の映画も入り、その歌の長いの何の、しかも市川雷蔵が盆踊りする映像まであって、ミーハーミーシャは何度も見ては大喜び。 まあ、あの頭の中身はもう先祖返りが始まって、むかしむかしの音楽で余白なし状態だわ―。 
 でもパソコンで何でも聴ける観れるなんて思いもしなかったみたい、場所を取るCDも買わなくてすむ。 越路吹雪リサイタル、島津亜矢、伊藤久男、などもありですよ。 PCの音響もずっと精巧になってきてますよね。 

           
                  ムニムニ ZZZ…
 暖冬でゼラニウムの葉がいつものように真っ赤にならないし、スープセロリは青い葉を広げて元気一杯。 ビオラもマンジュ菊も咲いてて、花びらをつつきに今朝もムクドリ夫婦がきてました。
 この生ぬるい冬を、ミーシャは気に入らないようで寒い北海道に憧れている。 冬の白い北海道に行きたいようだ。
 
 道産子の熊川哲也は八ヶ岳南麓に沢山土地を買って、誰にも明かさず秘密の別荘を持ち休暇を過ごしているという。 清里は広々してて故郷の、北海道によく似てるからですって。 
 彼の「Kカンパニー」はオーチャドホール等の公演が多い人気ダントツのバレエ団。 ダンサーも優れモノが集結して水準が高く、S、A席は歌舞伎座の桟敷席並です。 

 芝居なら三階席でもなんとか大丈夫、楽しめるけど、バレエは足とパ(ジャンプ)の高さが見えないとどうにもならないので一階席でしか観ないミーシャ。 バレエにもまだ心残りはあるけど、今は買えない見れない、と諦めてる、でもまあね。 脚はもうすっかり内股に矯正、転向しちゃったし。 

 今月から女の情念を舞う演目の稽古が始まった。 男みたいな性格のミーシャはそういうほうの表現に戸惑っちゃって、もうふらふら汗だく。 祝いもの京の四季の唄、夕涼みなどの明るい舞は序の口もので、これからが長くて厳しくなりそうな気配…。 稽古着も夏なら浴衣だけでもいいけど―、ああどうなることか、見ていてはらはら、いったい何時まで続くのかにゃあ。。

 二月は国立劇場大劇場で日本舞踊協会公演があり、15日の「歌右衛門狂乱」(山村若)が楽しみらしい。 これは東千代之介も「保名」として踊った男舞ね。
 恋人を失い心を失った若者が、春の花散る野に走り出て愛する人を慕い舞い狂うという、信田の森の隠れ葛の葉からのものがたり。 

 端正・歯切れのいい千代さまの東の踊りと、はんなり柔らかい西の上方舞、山村宗家のとを比べれるかと思っているのでしょね。
 
 

       
 毎度おなじみ千代さまの舞踊「保名」。東映映画『大江戸千両囃子』より                   
                      2.9(月)



〈如月二匹の会話〉

             

海の向こうは有能そうなオバマ大統領が出現したけど、
日本の国は、どうなるのだろ。坂本竜馬みたいなのはもう出てこないのかしら。 

ケイタイとゲームの虜になって、学力も体力も子供たちは最低状態、未来は暗い! 総理大臣もせっかく金持ちに生まれたのに漢字を勉強してこなかった? 60年前は貧しかったけど、みんな元気でがんばりがあったね。  

あたしたちはご飯食べないけど、自由猫も国民も大変だ、農民が減って輸入が止まって、そのうち食べ物が足りなくなるかも。。

ここんちのはなちゃんも、ささみのご飯が減ったってこぼしていたよ。

世界のソニーやトヨタ、あの木なんの木 の会社らも大赤字、不安だね。
きょうは百年来、でなくて、明治維新以来の一大事、とか財界人が言っていた…。

日経読むのも辛いね〜、当分やめようね、
ま、読んでも猫にはよくわからにゃいけど―。。

この ノオト もなんだか危うい、来る人減ってるね。
でもいつも来てくれる古い友だちや猫仲間がいて、そのためミーシャ続ける気みたい。
どうも理屈っぽくて、ちーともおもしろくないけどねえ。

そう、独りよがりで最近はとみにミーハー度あがってさ、芝居と愛ちゃんのことばっか―。
遠出の旅行はしなくなって歌舞伎と寄席ばかり、面白いんだろうかそんなに。

いやどうも、おカネがなくて旅行まで行けない可哀相な状態らしい。 そのわりには伊勢丹のセールに行っては帯なんか買ってたよ、…安いのをね。 

しかしただのメモ、忘備録を何でインターネットするんだろ。
それにここは猫のHPなのよねえ。

何をしているのか知らないが、時間が足りないって、ここマンスリーかウィークリーにしようとか考えてるみたい。 

これまでの愚かな日々を懺悔してか、般若心経ってのを毎朝写しているらしい。

えっ、毎朝? 実は時々怠けていて、自らを恥じ悔しがってる時があるみたいよ。

はっは、そうでしょそうでしょ、テープ回してお稽古だけは熱心にやってるようだけど。

でもあのおしゃべりミーシャだ、言は慎むべし、とかいいながらどうなることかね〜。

ホームページ熱は五年前より冷めたね、ソフトやの費用も手間もかかる、もう時代は終わりつつあるの?
いいえ、ブログは一枚で書くだけ、手間もいらないけど沢山のネコ写真のページ、詩のページなどはできない、厚みがあるのがホームページなのよ。

ホームページのおかげで出会って、実際にも逢えていい友達になった人がかなりいるのね。 縁は不思議なもの、まったく、ねこと愛ちゃんの存在は大きい、感謝している模様だ。


うう、あたしたちも相当おしゃべりみたいー。
そりゃま似てるでしょ、ミーシャの子どもだもの。 ごはんも猫砂もいらないから、座って黙って、じっと皆なを見ていようね。

そうね、そうしよう。  2.2(月)







映画
 今週観た二つの映画『落下の王国』と『禅ZEN』。  前者は昔むかしのロスの病院での、少女と薬中の青年の創造のお話。 インドのたぶん、ファテプールシクリ等沢山の世界遺産級遺跡がロケ地に使われたようで、色彩の美しい不思議な映画だった。
 後者は〈道元の映画を作る会〉の角川作品。  曹洞宗の始祖道元禅師を若い中村勘太郎が好演。 彼は力まず何時も自然体で、歌舞伎の口跡が素直に耳に響いて心地よい。 宗教者としての演技には堅さもあるが、目元涼しい勘太郎、ひとまわり大きくなり、法界坊のオヤジさまよりず〜っとお品がいい?きれいだ。
 ここで宇崎竜童の音楽がまたいい。「あんた、あのこの何なのさ」なんてのをやっていた昔とは別人のよう、日本的で美しい音と映像です。
 映画の中で一昨年の夏の合宿の総持寺の、坐禅堂も見られた(悟るために、坐るのではない…悟ろうとするのも、おのれの「欲」)。 1.29(木) 


懐かし東映時代劇DVD
 映画「赤穂浪士」は、私たちの小学生のころの、東映十周年記念の天然色映画。
 映画仲間のネットで、市川雷蔵・長谷川一夫の大映版と比較し丁寧に感想を書いている同世代もいて、多くは勧善懲悪の時代劇で育った戦後生まれ、その思い出のメモ。
            
     

主な配役

浅野内匠頭      大川 橋蔵
吉良上野介      月形龍之介
大石内蔵助      片岡千恵蔵
千坂兵部       市川右太衛門
堀部安兵衛      東 千代之介
片岡源五右衛門    山形  勲
脇坂淡路守      中村錦之助
九条家御用 立花左近 大河内伝次郎
清水一学       近衛十四郎
堀田隼人       大友柳太郎
遥泉院        大川 恵子
大石りく       花柳 小菊
浮橋太夫       千原しのぶ
畳屋の娘       桜町 弘子
隠密お仙       丘 さとみ
湯屋の番台      堺  駿二 
畳屋職人伝吉     中村賀津雄
上杉綱憲       里見浩太郎

 太平の眠りの元禄を揺さぶったおなじみのストーリーが、ここでは副題を「内蔵助と兵部」、としたいほど、「士道」の山鹿素行門下で、「龍虎」と称せられた仲良し二人が敵対せねばならなかった悲劇の運命を中心に描いている。よって、りくとの別れや南部坂、雪の別れのくだりも簡単な描写、東映重役、時代劇に欠かせなかった御大二人が中心に据えられた。
 何しろ場面の大きい長丁場の物語ゆえ、膨大な数の作品は、筋書きの焦点をどこかに合わせているとのこと。 
 まず見ていて、スケールの大きさエキストラの数の多さ、華やかさは海外の名匠らによる「十戒」、「アラビアのロレンス」、「クレオパトラ」なんぞさえ思わせる。 セットとしては、今では見られない贅沢な広さで、東映が威信をかけて作った映画であるのがわかる。京都太秦にはいまも映画村がある、一度は行ってみたい。

≪綺羅星たち≫
☆大川橋蔵…多くは「銭形平次」を思い浮かべるだろうが、子供もなつくような美しい女面。 53で没したが歌舞伎界にいたら名女形と記憶されたと思う。歌舞伎から転じた映画界で全国区となり、広くファンを作った華のある役者だった。

☆月形龍之介… 威厳ある黄門さまを演じたら今でもナンバーワン、ナンバートゥ―は西村 晃? 吉良殿もここではつい、ひいき目で見てしまう大好きな月形様は、中途入社の無欲で大人しい千代さま(東 千代之介)を、いつもかばってくれた。

☆片岡千恵蔵…子供のころは親戚のおじさんのような気がしていた。「次郎長富士」、「任侠清水港」等で清水の親分を演じかっこよかった。やくざは正しい人、なんて思わせた人だ。現代劇「多羅尾伴内」、七つの顔を持った主人公も当り役。ううむ、いいお顔!

☆市川右太衛門…どこぞのページには、息子の欣也よりもいい、とあった、Oh!Yes(きんやちゃん、ゴメンね)。 何を演じてもその存在感を見せつけ、威厳と美がある。 この顔立ちは、技芸の神様が時代劇映画のため、特に作って下さったようなものです。 京都は北大路に住まいして、北大路の御大、と呼ばれていた。

☆東 千代之介
映画『雪之丞変化』で、踊れる俳優として登場した。 舞踊家名は坂東伊三郎、長唄の杵屋のぼんぼんで欲も灰汁もなく芸能人としては何に付けクリーンで精錬、品のよい美貌でした。 時代劇衰退後は日舞若菜流を創立、晩婚ながら65で二男を設けたが、74で没。 白馬に乗った王子様のようで呼び捨てにできず、〈千代さま〉とお呼びして敬愛しておりました、いまも。

☆山形 勲
赤穂藩の重臣片岡源五右衛門を演じた山形勲は、東映時代劇では欠かせない、評価の高い悪役の名脇役。 最近までTVでも姿を見せ80才まで活躍。 芸は広く出演映画は多く、松本清張の「点と線」などでも好演している。

☆中村錦之助
親分肌でいつも他者を可愛がり、慕われた錦之助は、この脇坂淡路守はぴったり。 明るく、強く、正義感にあふれた姿にはオーラがある。 後年は歌舞伎の「萬屋」を名乗り、「子連れ狼」が代表作だったが、うらぶれた裏街道の主人公の役はあまり見たくなかった。 東映城の、正真正銘の若殿さまでした。でも、どうして何回もの結婚・離婚になったのでしょう―いたましや。

☆大河内伝次郎
風格ある大俳優、物まねによく出てくる独特の声色で有名です。 ここでの九条家の立花左近が、東くだりの内蔵助の偽左近を、大石と見極め、九条家の札を渡しそっと応援してたち去ります。二人相対する場面は、なんとも表現し難い東映映画の醍醐味の部分。 

☆近衛十四郎
二男、目黒裕樹は父に酷似しているが、剣術は? 近衛は二刀流の拳法の達人を演じて右に出るものがいなかったという。討ち入りのヤマ場、雪の庭の清水一学の奮闘ぶりは誰がこの役を演じるかで変わるようだ。 安定した素早い剣さばき、今はどこにもいない役者。

☆大友柳太郎
 このサムライ顔の人が、後年自死したのは衝撃だった。NHKラジオ新諸国物語の「霧の小次郎」は不死身、強い正義の剣士の筈だった。 繊細な俳優だったらしいが、剣法は絵のように美しく、壮年期の彼の笑顔は子供たちをも虜にした。いい俳優、やさしい性格の人だったのだろうと思う。
                      1.23(金)




大寒

 
冬らしい冬の日もあり、ほっとします。寒いのは好きなので、温い冬は不安になる。
 緯度で青森ほどに位置する零下のニューヨークは、熱かった。 新大統領の演説は、シェイクスピア役者のようでその内容も、ビジュアルも満点、このような政治家を生むアメリカは、やはり良くも悪くも力強さを持っている。
 欧米人は自己表現に無駄な恥らいがなく直接的で、今まで感動した演説(トーク)は英国の名優ローレンス・オリビエと元首相トニー・ブレア、名前を忘れたスウエ―デンの元首相だった。 一千万の小国の首相が、自国の海域に無断で潜水艦を入り込ませたソ連と世界に向け、テレビカメラを見据え〈いかなる者にも容赦せず攻撃する!〉と言い切ったときの迫力、とうの昔ながら自国を守る怒りの形相は記憶に残る。
 顔の表情は第一に、闘って勝つ強い意志を表わし、相手を威嚇する。 日本の外務閣僚らは、いつ何の時でも伏し目で、遺憾です、というのみ―。

 睨みの家系のビジュアル系団十郎に、いっそ外務大臣になってもらいたいっ、世界よ、これが日本の男だ!

      
 
 禅寺の初観音さまの福引で大きい器があたった。 帰りに吉祥寺で見つけた沖縄産の島ラッキョウ。  1.22(木)



インフルエンザ
 老人専門病院での大量感染と死亡、院内の湿度が15パーセントと聞いて驚いた。 乾燥は、ウイルスが最も好むところ。 ただでさえ水分の少ない老人の居室がこれほど乾燥しては―。 お医者さんがそれを知らない訳もないでしょうが、加湿器なし、濡れタオルに頼る状態のぎりぎりの経営だったらしい。
 働く職員までもが病に追い込まれ巻き込まれる日本の医療現場。 生きるのが徐々に大変になって来るのは、不本意なこと。  1.19(月)

 



歌会始」
 皇居での今年の、歌会始の中継があった。中学生も入選して、つまり若い人の投稿があっていいことと思う。 

 皇后美智子さま御詠
  
生命あるもののかなしさ早春の
     光の中に揺り蚊(ユスリカ)の舞ふ
 
 
 何か深い寂寥が感じられる。 あのお濠の中で毎日何をして、何を思っておられるのでしょう。
「母」とはいつも、子育ての後はえもいわれぬさびしさを感じて生きていくのでしょうか、ふと、歌詠みだった母を思い浮かべー。
 好きな時に映画を見お寺に行き、電車に乗り海を見にいく、平凡な気ままな生活を、できない方たちなのだ。 高円宮妃の歌にも、いつも亡き宮さまを思う気持ちが察せられました。 その昔は、皇族方が多く出席されて賑やかだったが、妃と女官の数が同じ、31文字に思いを凝縮するのが歌なのだとしても、みな厳しい表情なので驚いた。 微笑しておられたのは皇太子さまだけのようでした。 1.15(木)



いざ鎌倉
 同級生の(パソコン嫌いの)真理ちゃんと二十歳の学生の時行った鎌倉に、また連れ立っていった。 
 快晴、休日の鶴ヶ岡八幡さまは人があふれていた。 源氏の護り神さまに初詣して、はなちゃんのお守りも入手できた、よかったよかった。 
  
    
ペットのお守り            ♪左に高き 大銀杏〜
 江ノ電の一日乗り放題券¥580は便利です。昼ごはんは江ノ島で、海と雪の丹沢?の見える座敷でサザエの定食、ごまみそ味サラダも美味しかった。
 お店覗きし、歩いてしゃべって陽が傾く前、大仏さまにお会いした。 小学校の修学旅行のころはもっと大きく感じた大仏様、長い年月にお顔に傷みも見えるよう、酸性雨も心配です。
 大仏さま、お疲れとは思いますが、地球と日本をどうか護ってくださいね。 


  アングルで、色々な表情となるお釈迦様
 この季節もサーファーがまるで、オットセイかあしかの群れみたいな湘南の海、白いヨットもたくさんでのどかでした。 江ノ島展望台と新江ノ島水族館も行きたかったけれど冬は日暮が早く、時間切れ。  1.12(月)



初詣
 三が日の初もうで数が最多9,900万人だという。国の人口は1億三千位だから、赤ちゃんや動けない人以外歩ける人はほぼ初詣に行く国? 困った時はなにより神様です。 
 人出数の一番は明治神宮、二番が成田山新勝寺、三は川崎大師、四は伏見稲荷、五は鶴ヶ岡八幡宮とのこと。 大阪はどうしたのかいな。

 

 親が縫ってくれたウールの絣で初詣、武蔵総社大国魂神社へ。 羽織りに、幾重にも巻き着のような着物は洋服よりずっと保温がよく気分も落ち着きます。 武蔵国おおくにたまじんじゃ は、参道に沿い古い大きな欅の木が残っている。 昼前に済ませたので、人込みにもまれずに済んだのでした。

 さて昨日は雨の中、浅草寺にもお詣り。公会堂の新春浅草歌舞伎第二部は、お年玉ご挨拶はおめちゃん、市川男女蔵丈、「一本刀土俵入り」と「京鹿子娘道成寺」でした。 ことし、勘太郎と七之助兄弟の成長ぶりが感じられる。 兄貴格の獅童さん・愛之助の不在が、返って彼らにはよかったのかもしれない。  今年も第一部にもゆくので、すっかり一月の浅草となじみになった。 昨日の切符はWeb松竹で急遽みつけた三階最前列(2,000円)、かなり観やすくいい席でした。
 お正月飾り残る浅草は氷雨が降っても人が多い。 が可哀相なのは人力車の兄さんたち。 声枯らしても雨で乗る人少なく、寒そうでした。

 いつもは素通りする仲見世、時間があるのであちこち覗き回ると思ったより楽しい。 正絹のリアルな猫のポイント柄の細帯、「旗日」用に日章旗とか気になりました。。  1.10(土)
 



「こいつぁあ春から」
 という番組で、一月の全歌舞伎公演のさわりをNHK教育で放映していた。 毎年新年は歌舞伎座、大阪松竹座、新橋演舞場、浅草公会堂、国立劇場と、歌舞伎が五か所で競いあう。 役者たちも客の入りは意識するらしい。
 愛ちゃんの出ない浅草も、勘太郎くんを見にいく。 毎年海老蔵座頭の新橋の人気は高く、二、三階は早々なくなる。  一番見たいのは大阪松竹座の上方新春歌舞伎だけれど、ちょっと遠すぎー。 上方の華、仁左衛門さんも籐十郎さんも、愛ちゃんもお出ましの大阪の正月。 

 ずっと江戸での仕事が続いた愛之助は、今年は地元に張り付いていて東京での出演予定は当分ない。 愛之助が「だんだん」みたいにふたごだったら、奪い合いなしで東も西も満足できるのに、四倍楽しいのになあ。
 「実は双生児なんですっ」なんていって、もう一人現れて、跳び出してきてくれ〜?  

 昨日は誘われて、内幸町ホールでの「三遊亭竜楽独演会」にいってみた。 イタリア興行のビデオ(解説付き)も観れたが、なんと現地で、イタリア語を混ぜてしゃべったのが大受けしていた。 ご贔屓の多いわけあり、女形のセリフもうまいしなにか上品で、とても多才な噺家です。 今年は歌舞伎はほどほどに、古典落語もいいかな? 1.5(月)



放送局
 ことしは何年ぶり、NHKの年越し歌番組をチラチラみた。 豪華な衣装にゴージャスな舞台装置で驚いた。 100年に一度という不況もどこ吹く風、派手で金満の雰囲気でいっぱい。 全部ではないけれどなにか欲望の治まらぬケモノふうで、歌舞伎の舞台がいかに洗練され、シンプルで美しいかを感じます。
 同じ日には恒例12チャンネルの「年忘れ日本の歌」がある。 52年の幕を閉じるコマ劇場からの中継でした。 国民から上納金も取らない民放のほうが、世情に沿い、身の丈に沿い、老獪な司会者がリードして歌そのものを楽しませてくれました。 …どっちも、好きな島津亜矢は出ていなかった。 1.3(土)
 
 

謹賀新春
 新年には、厄除祈願のちいさい輪飾りをしました。 夏越しの大祓の茅の輪くぐりは、1〜6月のお浄め、魔除け厄除けですね。 こういう謂れのある古いならわしには、実際意味もご利やくもあるのだろうと思っています。
 昔もいまも天変地異、疫病、飢饉の不安はずっと続いている。 今年はどんな年になるのでしょう。
 みんなが〈身の丈〉を守り、清らかに生きて行けますように。 若者に仕事場が増えますように。
  
 
    
一昨年初夏の下町の香取神社
             平成21年1月1日(木)


猫の映画・吉祥寺
 きのう観た映画「グーグーだって猫である」。 以外に人や猫のなにか深い生命の果て、を振りかえる物語。 吉祥寺がすこし美化され過ぎと思ったが、公園も動物園もあるし、たしかにいい街なのだろう。 ステーキさとうのメンチボールが、なお買い難くなった原因はこの映画にもあった? アイドルだった小泉今日子が、とても素敵な女性になっていたのでした。 

 人の数倍速く年取る猫たちー、主人公はサバ、とグーグー…、好みとしては、洋風の名前より日本風が好きになってきました。 ある女作家の猫の名はヴォータンにワルキューレとかでした、ウー。 今日知った別の知人のねこの名は、福太郎と桃ちゃん。

 パスタと赤ワインでしめた今年最後のシネマ・デ・ジョイ。 来年はうし年、牛はネズミよりゆっくりどっしりして、長いまつげの目がやさしい。 軽くない、いい年にな〜れ。  2008.12.30(火)




墓参り、打ち上げ
 実家にゆき墓に参り、叔母の家に行った。 85歳の叔母は、まるでで70才そこそこに見えたし、作ってくれたきのこの豆腐汁がおいしいし、墨絵の額縁を新調し発表へ意気軒昂、すごいすごい、父の妹だから100才までもいくのかもしれない。 久しぶりに出会ってあまりの若々しさに圧倒されてしまった(負けないぞ)。

 グループ展も、打ち上げも終わり年賀状書きになる。 友だちへのお返事もゆっくり書こう。

 快晴無風で幼な馴染みの山たちは白く光り、空気は澄み、端正な冬晴れの景色。 山の精で、沐浴したみたいな気分となった。 12.26(木) 



忘年会、展覧会
 忘年会コンサート(並木通りのkギャラリー)の帰り、途中吉祥寺駅で人身事故発生。 混んだ電車に閉じ込められやっと帰れたら日付けが変わった。昨今めったにないこと。 
 ギターコンサートは予約者以外も参加大入り、手製の食べ物も飲み物も完食した。 エコに協力、照明は床のロウソクたちと、炎の間接照明はやわらかく香りもいい。 kさんのギター演奏と唄はいつもはシャンソン中心だが、6人での二次会の、ウエスタン、スペインの曲に大感激、いいなア音楽もー。
 前日は、千駄木の搬入から南大沢と、いろいろあっても書くのがいま億劫で…歳末は疲れます。   12.22(月)


加湿器
 暑いインドでは素焼きのカメに水を入れ、気化熱で水を冷やす。 乾燥した冬、風邪をひきやすいのは皮膚から水分が蒸発して体温が奪われるとやっと気付くとは―。
 ネットで加湿器小型を買い求めた。 国産品タイガー魔法瓶のパーソナル器は送料込みで3600円くらい。 稼働すると夜はみるみる湿度が上がる、でも、日照の強い昼はあまり効果がないようだ。 この季節の乾燥度の酷さが判る。

 どこに置くにもコンパクトでいいものの、容量が小さいから4時間ごと加水するが、ゆらゆら湯気に、ひとまず安心。  12.20(土)



年賀状
 古い同年の友人から、”年賀状お互い廃止しませんか、よろしくね”、とメールが来た。 もう決定した感じ。
 これもいいかも。途切れずに会うなら、正月のあいさつも必要ない。 特にお世話になった年なら、賀状も歳暮も自然におくりたいものだが、個人主義の時代なのか心からの人の行き交いが薄くなってきているようです。
   
 表裏ともプリントになると実に味気ないもので、忙しい時描く年賀状はかなり重荷らしい。 
 虚礼廃止は正しい、いづれ廃止に傾くものかもしれない。 仕事がらみならともかく、のんびり春休みや暑い季節などに、絵手紙などの行き交いのほうが自然でたのしい。 でもやはり、日本の正月は、年賀状はあってもいいかな…日本的なものが、どんどんなくなって来ているこの頃。 12.15(月)
  



マザー・テレサ
 12月でも気温は高いし、商店も元気がない。ホントに歳末なのでしょうか? 
 ノーベル賞の季節、NHKで1997年になくなった平和賞受賞のマザー・テレサを特集した。 むかしキリスト教はとても身近な時期があり、つい最近まで影響を受けてきたが、よるトシナミ、和に目覚め最近は仏教一色。

 思索的、争気のない仏の教えもいいが、マザーの生涯を通してみると、まさにキリスト教の博愛、献身の体現です。他者へのかかわり方が、愛も憎しみも白黒はっきりしている一神教の宗教は、弱い者への愛と自己犠牲の輪郭もはっきりしている。 日本の風土にはなじみにくいがキリスト教はまた、人間にはなくてならないものの一つなのだろう。 印象的なマザーの言葉の一つに、「日本人はインドのことより、日本の貧しい人々のことを気にかけてください」がある。

 しかし今年は、メサイアも聴かずに、昭和の歌謡曲と上方歌などがおともだち。「男の舞扇」は遥か昔の歌だが、音律をしっかりと覚えていた、愛之助にも聞かせたいミーハーの師走。 12.11(木)
  


成道会

 12月8日は、神も仏もなしのパールハーバー奇襲の日。仏教では、お釈迦様35歳でのお悟りの日。ひさびさの尼寺で、ことしの穢れの清めを兼ねて法要に参加させていただいた。
 この日の経はまた長く難解で、肺活量が問われますが、一生懸命正座して読み上げました。 尼さまは声量に乱れはない、さすが修行僧、体力気力が違うのです。
 庫裏でお昼を頂くことになったが台所の風景も食台も石油ストーブもみんな、古い故郷の家を思い出させいい感じ。 しかも尼さまらは、キノコや根菜豆類をすごくたくさん摂取、健啖。 でんぷん質に即満腹したら、食の細いのはいけない、と注意され土産までいただき母のようにお話が弾んでしまいました。 次回また健康太極拳入門編、指導させて頂きまする。  12.8(月)




往年の名優たち
 今週の映画『あの日の指輪を待つ君へ』の主演は、私にはとても久しぶりのシャーリー・マクレーンと、クリストファ・プラマー。 70年代の映画『愛と喝采の日々』で、競いながら結婚と舞台と二手に分かれた二人のバレリーナの物語の、アン・バンクロフトと共演したシャーリーも74歳。 アンより玄人のシャーリーの踊りがずっとよかった記憶。このとき亡命後のバリシニコフも共演して、熱いバレエを見せた。
 そして『サウンドオヴ・ミュージック』で、ナチスに抵抗、一家でアルプス越えをするトラップ大佐役のプラマーです、ああ、歳月は、流れました。 でも二人の円熟がとてもいい、老いても人は自信を持って生きると、ずっと輝いていられる俳優でなくとも。 でも、帰らないのは青春の肌の輝きー、こればかりは。 
 老境の二人と人を支える思い出や愛、を考えさせる映画でした。

    
12.4(木)



乾燥の季節
 インフルエンザに罹る原因は、呼吸器の乾燥も大きなひとつ。
 デカ文字の寒暖計を置いてから、いつも観ていると家の中の湿度はくるくる変わる。季節で、空もようで、変わっていく。
 今は乾燥の季節で、室内で乾かす足袋が半日で乾く。 別の季節では戸外でもなかなか乾かない時もあった。 常時湿度計は20パーセント台、このままだと顔の皮膚に、ヒビでも入るか心配になる。 水槽の水はまいにち減少、加水するしミカンも乾きそうになるので早く食べたくなり?ポインセチアの大きめを置きちょっとでも水分の補給、スプレーを毎日する。ストーブでしゅんしゅんお湯を沸かすと、かなりのアップ、Good。

 人込みでなくても風邪ウイルスは飛んでいる。喉の乾燥はウイルスに味方する、気つけよう。 なるほどいつもよりもマスクの人が多い今年、でもあのマスクはどうも好きでなくて。 何か犯罪とかかわりあるのかと、ちょっと不安になる白いマスク―。 
 いっそ花もようとか、おもろい動物もようとか、不況時には何か、カラフルな「遊び心のますく」などどうでしょう。    12.2(火)



ナメクジ退治
  可愛がって育てた花がどんどん食べられて、最近つぼみまでやられている。 
冬越えのナメクジの事情もわかるが、大切な花をなめ尽くされては困る。

〈花屋さんナメクジ退治の薬ありますか!

〈あ、ちょっと切れてますねえ、ビール、飲みますか?

〈はい、バドなら好きでありんす。

〈飲み残しをちょっと入れた缶ビールを土の高さに埋めておくと墜落しますよ。
 花畑で農家がやっています。

 花屋さんの言うとおりすぐ実行すると、四日め頃から何か底に? 一週間後、缶を出しさかさまにすると数えて大小26匹ものナメクジが飲み溺れ、ぞろぞろ。  う、気持ち悪い数と姿。
 この数で、襲われてた夜中のベランダ花壇。 夜行性で昼は一匹も見えない。
 春の花鉢に潜んできて繁殖したのだろう、まだどこかにいるかも。 なめくじ、ミーシャをなめたらアカンよ、もう一度実行しよう。

 しかしまたビールか―、もうホットの角(サントリー)の季節なんだけど。  12.1(月)



役者魂
 26日「海外公演座談会と舞踊のひととき」ユネスコ国際演劇協会主催(歌舞伎座)の切符が取れたので見に行く。 三階の後ろの立見席の前は座席が尚小さい、やはり建て替えは時の流れ、懐かしさより実用が一番です。 

 一部は玉三郎と勘三郎の対談「海外公演を語る」。 最近の、北京と欧米、日本での観客の反応や裏話。大陸の民族語の話など、二人はとても能弁です。
 司会の平凡な質問を軽く否定、率直で魅惑的な返答がためらいがちにー。 お決まりの、美学・コラボレーション・オリジナリテイらのありふれた言葉で分析されるのをかなり嫌うようです。 観る側は時々の楽しみで観るが、役者は息をするように自然に、日々美しいものに反応し、判断し本能を大切にするらしい。 並はずれた天才的な役者の魂に、ちょっと触れたような。  

 二部は勘太郎・七之助の 舞踊 清元『三社祭』、勘三郎 大和楽『二長町』、玉三郎 地唄『鐘ヶ岬』。 若い兄弟二人の踊りは、エネルギーに溢れ力いっぱい。 オヤジ殿の前で一生懸命なのがよくわかる、江戸の元気で楽しい踊りだった。 
 勘三の「二長町」は珍しいものだそうで、大衆性、つまり所所に笑いを誘うセリフが面白い。人柄のよさもみえるようです。 長い踊りの後は着物の襟が、汗で濡れ色に変色した。 二長町 とは、静岡に戦前ころまであった遊郭のことだろうか。 

 白塗りでない、踊りがすっきりする着物と袴の素踊りが好きです。

 最後に地唄を舞う玉さまの女形姿には言葉がなく、溜息も消え静まりかえった。 卵型の顔に小さな口もと、風のように動き舞う浮世絵、人形より美しい…。 大陸の昆劇人にも師と仰がれる坂東玉三郎、眼福。 11.29(土)



舞の会
 年に一度、一日限りの東京での、『京阪の座敷舞』鑑賞はことし二度目。 一緒の予定だったR子さんは行けなくなったのは残念。

 今年は第一部のお家元の、地唄「道中双六」をじっくり拝見した。 長めの演目で、こちらでめったにない舞台をしっかり観て埋没、酷く疲労した。 手先爪の先まで、神経が入った静かでやわらかな振りは女性以上にきれい典雅。 稽古の量がしのばれます、普通にこれを覚えるには大変な時間がかかりそうです。 ほかには京舞井上流の長老の素踊り、地唄「菊」がしみじみ美しく、なんともいえない静謐の世界に浸れました。
 
 やまない喧騒世界から、ひと時逃避出来る舞は貴重なものでも、屏風や畳み、蜀台の灯りなどは、日本人にさえ奇異に見られるようになっている。 いまミュージカルは全盛に、踊りと舞の区別も一般には難しく、世の中から消えていきそうな多くの美しい無形の文化には、すこし寂しい思い。 健康のため行儀のため、舞はいいかなと感じますが。

     
     
武原はん(1903〜1999

 今年も可愛い舞妓さん、着物姿の人たちがいて会場は花園状態、友禅模様をふんだんに鑑賞できました。 なぜか今になり、舞子さん志望が全国的に増えているそうです、うれしいな。   11.23(日)



佐倉城址のれきはく
 月初めに行った国立歴史民俗博物館のメモ。  ずっと前から行きたかった場所には、日暮里から特急で57分、話をしながらだと京成線佐倉駅はそう遠い距離ではありません。 
 お城は桜の並木、植物も豊富、館内は幾つもの展示室があり収集が細かいし本物がそろっている。 とにかく広くて広くて、もういちど単独で、好きなところを重点的に見にゆきたいところ。 映画の時代コーナーには、若き日の月形龍之介らのブロマイドなどあり、魅惑的です。

   
  
稲荷山古墳出土ワカタケル王の鉄剣  左 古代の役人の食事 右 下級役人の食事

 古代の役人食は、魚貝類、海藻、野菜豆類に木の実、これは21世紀の私の食事の定番と同じだ。 下級役人は玄米食ながら、タンパク質不足でないだろうか、差がありすぎ。 古代から格差は延々と続いていた。
 この「れきはく」では、日本の国の成り立ちのころからをそれなりに網羅して見せていて知らなかった世界を知ることができる。  でも国立でなければ維持費に四苦八苦しそうな感じ、気軽に行くには千葉は少し遠すぎです。

 館内ランチでは、古代米ごはんとトンカツがマッチしてとても美味でした。
 猪や鹿など山の獣も、彼等はきっと食していたと思う、歴史は、後世の人間の個性の想像による部分が多いと思うのですが。

 快適な秋が終われば、ネコとおなじに食べて眠るだけ、愛ちゃんのビデオを楽しむ冬ごもり―。  11.21(金)




蔵造りの町
 暖かい昨日、ウォーキングは川越の町の探訪へ。 秋日和で上着が要らないような陽気でした。

 武州川越は、小江戸といわれ江戸近郊の商業の要地だったとか。さきたまは、古い歴史と古墳の地です。 レトロな洋館の銀行、紅葉のきれいなお寺も多く、とくに立派な蔵の立ち並ぶ通りは壮観、観光地化してはいても、不思議な世界に入り込んだみたいで楽しい街です。 川越大師喜多院の菊の展覧会では、匂いの善い菊の花の展示会がありました、菊の香りは秋そのものです。 
 いも菓子とウナギの店が多く、どっちの店にもつい入ってしまったのでした。

 西武線本川越駅まではるばる市川からの友人はドアから16,000歩、私はそうすると、14,000歩くらい? 


        時の鐘        蔵造りの通り     喜多院
 
 これだけあちこち歩き回っても、楽しんで歩き、団子、ソフトクリーム(ムラサキイモとマロン)休憩、買い物などしていると、疲れが思ったよりでないのです。 気が合う同士というのはいいものです。  また鼻・舌・目が忙しいと、カメラの存在をわすれがち、いいのが撮れませんでした。

 平日もバスで押し寄せる観光客も多く、どこにいっても自由人が増えているこのごろ―。  11.19(水)



お毒見役の舌
 冷蔵庫の牛乳が三日過ぎるとき、まだ期限が残っていてもなんだか心配、そんな時ねこが信頼のお毒見役。 お皿の上で神妙にじっとしてから、ペチャペチャ飲み出したらオーケー。 そっと離れて去ると、これは捨てようと決めている。
 
 猫缶はいつもマ○ハで、ちいさくて高価な〈焼津のマグロ〉は、人間の缶詰よりいいにおい、私用の三缶なんぼ、のお徳用ツナと大差ありです。いろいろ取り混ぜて与えますが、今日他の有名メーカーのを与えると、空腹なのに箸をつけない(猫だから箸は使わないけど)で、私を見上げて、考えこみ去ってしまう。 試しに初めて買ったがどうも、これは捨てるしかない。 この「ゼリー状」のものに何か嫌なもの、添加物でもあるらしい、…味付けの臭いもする、浮気はよくない。

 いつものにはどれもゼリーは入っていない。 当初、純粋な屑マグロを捨てずにペットフードとして売り出し、今は人間さまのより上等な白まぐろの猫缶を売り出し成功しているようす。 
 ネコは芝居も旅行もしない、食べて眠るのが唯一の楽しみ。 そういうの、人間にもいそうです、…それも悪くはありませんね。 11.16(日)




名月神楽坂
 昨夜の飯田橋から見た空はまんまる月夜、きれいな月でした。 が、ぽんぽこふらふら、腹七分が常なのですがー。
 各駅停車のようにどこにもある大衆居酒屋「さくら水産」は、食べて飲んでいつも二千円前後、もしや国産以外のあの…、でも皆で食べると怖くない。 4名でギンレイの「たみおの幸せ」を観て、3名が合流してある打ち合わせ会。 いつものイタリアンより畳みのある場所でと、愛する?さくら水産へ。 
 男でも漬けものはこだわって手作るらしい、コメの作り方、にんにく談義で盛り上がった。 新潟魚沼には、年三万円で貸田んぼがあるそうです。土壌は農家が管理してくれて、手で田植えをして収穫したそうな、美味しいコメでしょうね。 
 最後に盛り上がるのは、まず食べ物の話です。 仕上げの海苔おにぎりが大変美味。 コメの良くない(罪な)ところは、おいしすぎることだ、と嘆き泣く人もいました!同感。
 
 たみおを演じるオダギリジョーは、NHK「新撰組」では斎藤はじめを演じていた。 当たり役?切れると怖そうな無口な剣士、オダギリの斎藤。 オダギリ、こういうコメデイタッチもぼ〜っととぼけたところがおもしろい。しかし、怖いのは女です、大竹しのぶも麻生久美子も、綺麗な顔での魔性おそろし。  11.14(金)
 


暖房
 駆け足の秋というとおりいきなり寒くなり、温かカーペットをだした、ストーブもそろそろ必要です。 紅い炎の石油ストーブで、銀杏を焼く季節、炎が大好きでも戸外のたき火はあまり見られません。 生花がしおれる温風暖房は嫌いの、原始的生活に人は驚きます。
 政府が生活の足しにと、なにか給付くださるとか。 悩んだ末の苦肉の策でしょう、でもあまり、カッコ良くはないようなー。 でもこれは、今年の灯油代になりそうな金額。 お金もちと貧乏人と、こんなところで線引きする論争が続いている、もちろん私はいただきたい側です。

 年々冷暖房費等も急上昇しているのに気付きます。 在宅が長くなり、体温も低くなり、お風呂も長湯になりました。 よく響くから歌(「名月赤城山」etc)を歌ったり、懐かしの映画音楽集(ピエトロ・ジェルミの「鉄道員」etc)のテープを終わりまで聴いたりしているので。 お風呂って、いやあ、ほんとに楽しいですね。以前は都内の近くの温泉に熱中したけれど、歌は歌えないからなぁ…。 
 猫も足ふきマットに寝転んで、でてくるのを待っていたり。 はなも、人恋しいらしい秋の夜長。  11.11(火)



秋深み
 季節の舞台もまわります。楽しんだススキたちも終わりに近く、菊と一緒に生け込みしたら、穂がなくなり茎だけになった。
 飾棚の置きものも乱さず、足場にしてむしゃむしゃ食べた方がいる。 棒になると風情もなにもないススキ。

       
     
 鶏ささみをゆでて冷ましておいたら、机にとび乗ってこっそりいただく方がいる、気がつくとお皿が空っぽ、三回目。 
 音無し、素早い、うちはひげのある耳のとがったくのいち の住まいです。 最近はねむる場所も堂々占領されている〜。  11.9(日)




楽しきこともあれば
 嫌な腹の立つこともー。
 じつは私は今ヤ○ーに怒っています。 毎日やってくるスパムメールのアドレスは、ここのアドレスを持つものが多い。木の葉掃きのように、わけわからぬタイトルのメールを捨てる。  
 先日楽天とヤ○ーで同じ日に、買い物をした。買い物に個人情報を打ち込むが、これを流しているか漏れているかと思われる。 情報の保護は、安全の筈なのに。
 買いものは小額だがその日のうちに、メールで注文の確認とお礼が来たのは楽天の出店。 送金後三日で商品は到着。
 ところが、Yのほうでは無言のまま。 早く欲しいので代金は即支払ってあるが、少しの遅れには鷹揚でいた。でも、その後も連絡なしに不安となる。 地方にあるらしい当の店に電話をすると、お金が振り込まれたがヤ○ーから連絡がないので、注文品、住所が不明で困っていたという。何と、テナントと大家がパイプつまりしている、とにかくYがYが、と電話で繰り返すばかり。
 店とYの連絡の不備を、客の電話代で客に訴えるものではない、商品を送るか返金してくれ、とあきれ果てつい語気も粗ぶるおばさん。 
 この店は女性の経営で悪意はないようす、ヤ○ーには善処を願う連絡をした、と記されていたがインターネット販売は数あれど、アラブかインド並みのアバウトさの巨大団体は―。 買い物では初めての経験です。

 結果、商品は届き、同じ便で謝罪のつもりか送料が返金された、お店に落ち度はないのですが。 ヤ○ーにはサイト内のメールの宛先を探し当て顛末を報告、謝罪を求めたが未だなしのつぶて、こんなものらしい。 
 肥大化し、儲け過ぎて不遜になりすぎたものの末路はいずれはみな哀れ、小室さんだけではないのではー。 11.5(水)



「伊勢音頭恋寝刃」
 という通し狂言。 演舞場の花形歌舞伎 昼の部にいきました。 昨日は、佐倉のれきはく、国立歴史民族博物館のひろ〜い館内を歩き観て回り、疲れはてへろへろ。 今日は今日とて長〜い通し狂言、ちょっと間があればよかったけど、人との約束のときはこんな時もあり。 
     
   
上 海老蔵 & 松緑    下 菊之助、獅童&愛之助
   
「歌舞伎美人」より

 さて、花形昼の部の中心はやはり海老様。 福岡 貢役は愛之助も地元で演じているが、今日は主役を助ける料理人喜助の役、もったいないなあー(お江戸でも座頭を、そろそろ)、出番が超少なかった。 この物語は私の好きなハッピーエンドではないけれど海老さまの持ち味、芸域の広さを知ります、〈成田屋〜〉、と大向さんもがんばる。 何時もの勇ましいヒーローと違い、悪い女にしてやられる哀れ美しい海老蔵の貢。 歌舞伎の演目は様々、とにかく数見ることが必要のようです。 いつまでかかるのでしょう。
 義経千本桜「吉野山」の菊之助(静御前)と松緑さん(忠信狐)の踊りもよかった。可愛い! 今日は1階席で、花道もよく見えたし、サービスでか海老さまが客席後ろから登場、ようこそおいでくださいました、と、セリフかアドリブか分からない感謝のまなざし、通る美声を真近に聴けました。  11.4(火) 




季節の膳
 先月季節のマツタケの膳をいただいた。
 色どりが良くて、珍味があれこれ、たまの会席膳は目と舌にいいもの、たまだからいい? でも肝心のマツタケはあまり香りがしなかった…。 このお値段では国産ではないらしいのは仕方ない。 が、まつたけうどんは味が効き、もっちり美味でした。
 秋冬は、なんといっても温かい猫と煮込みうどん。 昭和記念公園の昼もあたたかいキノコそばでした。
 秋のお楽しみはかくも多い、今月は演舞場での愛ちゃんらの「花形歌舞伎」もある、ハッピー。
  

      
              11.1(土)



セシルカット
 覚えているベリーショートのセシルカット。 美容院(甲府、武井美容院)でセシルカット、つまりちょっとおしゃれな段カットのショートにしてください、なんて注文したころがあった。
 要らない本を整理していて見つけた「悲しみよ こんにちは」。 高校時代に小遣いで買った本を、ずっと持ち歩いて今まで一緒だったとはね。

 40歳のやもめのとうさんと、その愛人アンナとの夏の日の生活を、17歳の少女セシルが独白形式で進行する小説は、フランソワーズ・サガンの18歳の処女作、パリはおろか世界中でベストセラーになったのだった。

  
ものうさと甘さとがつきまとって離れない
  この見知らぬ感情に、悲しみという重々しい
  立派な名をつけようか―私は迷う。


 などという出だしを、十代の少女が書いたものだから、世の文壇が衝撃を受けた時代です。
 
 父の愛人アンナは、すっと父子の生活に入り込み、食の細い神経の細そうな少女に、きちんと食べろ、とジャム付きパンを持ってきたりあれこれ世話をやく。 いまでも私がジャムパンが好きなのは、この影響かもー。

 早熟型のサガンと違いアルプスのハイジだった私は、同世代がこんな複雑な感情を完璧に描けるのに驚きながら、あらすじに感動せず題名になったエリュアールの詩のほうに興味をもった。 ずっと持ってはいたがもうこの種の小説は異なる世界、年取ると何かあほらしくて読む気がなくなっている。

 しかし当時の文庫本は、なんて活字が小さいのだろう。 若い感受性と良い目の時代が懐かしい。 ここでも流れ去った時間の多さを、しみじみ思い起こすことになり本の処分はまた、延期になった。
 かなり奔放に生きたサガンは私のひとまわり年長、二度の結婚に二度の離婚、一児をもうけ四年前に病死した。 セシルを映画で演じたジーン・セバーグのことはもう、わからない。   10.30(木)

 
昭和記念公園
 コスモスの丘の盛りは終わって、花畑の黄色と白のが満開でした。 平日でも子供もいて賑やか。 ハーブ園は植物の種類がたくさんありました、ボランテイアさんの努力らしい。 来月中旬ころが森の紅葉でしょうか。
 
     
         ちょっとさびしげ、深みゆく秋の色

   

   
          広い原っぱを歩く        水鳥もいる
        
       ネコはおっとり幸せそう
                      10.27(月)


江戸川区船堀タワー
 というところで、三遊亭竜楽の会 特別企画「文楽と忠臣蔵の夕べ」、をみました。 落語は古典が好きですが、先月、上野伝統芸能のプログラムの一つの志○輔落語にえらくがっかりしていたので、大笑いして満足しました。人形浄瑠璃文楽座員さんらによる丁寧な解説もあり、文楽が身近になった感じです。 人形浄瑠璃のこまやかな手技は、どうも日本より海外のほうで評価が高いらしい。
 
 三遊亭竜楽さんの名を、これまで知らなかったのが惜しい。 和やかな顔に高ぶらない癒し系の雰囲気、とおる良い声の持主。 歌舞伎の女形のしぐさがあまりにそれらしく、動きに揺れる絹の着物もきれい、だみ声の噺家さんの多い中、すっかり観惚れ、聞きほれてしまいました。
 誘ってくれたKさんに感謝、Sさんからは到来物という木の葉のついたなめこもたっぷり頂き、なんとも素敵な秋の夜長でした。 同じ日の午後池袋東武での「永野一久 金地テンペラ画展」では先生にもすずよさんにも出会え、いろいろ話し込み、まさに芸術の秋たけなわー。 10.25(土)


自分風
 暑い夏はほしくなかった緑茶が、秋になり美味しい。 焼き魚の食事のあと、もなかを食べた時なども、ほんとにおいしい。 
 朝は紅茶、午後コーヒー、と、いつか遠のいてしまった日本茶。 湯ざましが必要なのも面倒だし、朝一番に飲むとおなかがキューっと痛む。 タンニンのせいらしく、それは紅茶も同じ。
 でも朝の紅茶はたいていインド風、生乳たっぷりに砂糖・シナモン入りでポット一つ分飲むのです。 気分でレモンの時もある。 コーヒーは酸味の強いのが好み。 今はやりのカプチーノなどの欧米系は、ローストが強くて酸味がない、海外のコーヒーはまったくおいしくなかった。中国の奥地は、コーヒーそのものがホテルになかった記憶。
 コーヒーの味は日本が一番という評判です。 以前チャンドラ・グプタ号で戻った成田で、即、モカを飲める店を探して駆けこんだものです。 行ったことがないけれどアメリカでは、インスタントが主流、器もこだわらずに分厚いマグカップとかー。

 いま店でブレンドを頼むと、酸味のないブラジル系が多い感じ。 ま、飲み物は自分で淹れるのが一番です。 人間年取ると〈自分風〉ができてしまうのか、ホテルや旅館ならオーダーできるけれど、人の家に泊まるとそうもいかずにちょっとストレス、わがまま? 昨今はお泊りしあうこともなくなっていますが。
 以前同世代の知人の日記で、外泊について同じようなことが書いてあり、少し安心したのでした…。  10.23(木)



栗はクリの実
 栗が美味しい、剥くのは大変でも努力の甲斐あるその美味しさ。シンプルにグリルで焼くと、こんがりほろほろ甘いー。 はじけないようにナイフで切り目を入れて焼くきながら『里の秋』という唱歌をおもいだしました。
 どこか遠い国に行っているお父さんの笑顔を思い出しながら、母と子が囲炉裏で栗の実を煮る。 外は星がきれいでしょうし、木枯らしの前触れも聞こえたりしている?
 そして二人は甘いね、これ虫がはいってるね、なんて話しながら食べた後、夜更け冷えこめば静かに、眠りにつくのでしょうか…。

        
    
もっと遊んで〜。 イタイ〜血が。 

 ま昼は27℃になる家に、蚊もネコの親子もいる秋、ちょっと暑すぎ やはり亜熱帯です。  10.20(月)



谷中生姜と栗
 農協の店で谷中生姜(6本130円)を買いました。 立派なはっぱも付いていたけれど切り落としてもらうと、 “葉はどうします?”“葉も、食べれましたっけ?”“食べれませんが消臭剤なんかに使えます”。
 そうか、しょうがは全部が香りが強い、いいにおい。 葉はともかく、茎は束ねて吊るして飾って、木炭と同じにしてみた。 緑色がきれいじゃあないの、ハーブはラベンダーなどばかりではない、日本はハーブは昔からあったのです。 出来上がった甘酢漬け生姜はみじんに刻み、白ゴマと一緒の混ぜごはんにした。 干し魚とお浸しときんぴらに、焼きノリも加えればあの土光さんに匹敵の健康ご飯。
 
 先日電車内で十年ぶりに遭遇した同年の知人に、なにかほっそりしたような、と言われた、うれしいな、あのころはお菓子などの間食がかなり多かったし。 とにかく太ったらキビキビ動くことができない、我慢のできない性格に見えるし老けて見える〜、私に限るといいことなしです。 禁高カロリー食でエンゲル係数も低下した、物価高なのにエライ!
 季節の唯一の例外は、三浦屋(吉祥寺に本店がある食料品店)の栗入りモンブラン、これだけは…。 10.17(金)



好きな女優さん
 コマーシャルでよくしゃべるそそっかしい白い犬の夫を、やさしく厳しく叱ったりする樋口可南子さんは、着物がとても似合う。 犬好きで、盲導犬のクイールのドラマでは犬の母さんを好演していた。 書もたしなみ、お手紙はいつも毛筆らしい。女子美大生の時スカウトされ、芸能界入りしたそうです。 
 この本『樋口可南子のきものまわり』のなかでは、品が良く、着こなしも着物の選び方も洗練され、半襟がいつも白、というのが清楚なかんじ。 

      

 女優さんは、人々の憧れ、美しいひとがいい。 でも可南ちゃんみたいにエレガントで聡明な佳人は、ほんとに少ないなあ。      10.14(火)



日本の味
  
 

      今年のらっきょう漬け

 春に苦労してつけたらっきょう漬け、今食べごろのおいしさ、大成功!
 西洋にはピクルスや酢漬けの類があるけれど、日本の漬物は本当に数が多い、美味しくてしかも美しい。 長寿国なのは、さして栄養もないものも食卓で、無くてはならないもの、箸ヤスメとしたり器を楽しんだり、目と舌で遊べる食にも起因するのではないかしらん―。

 今美味しいのは、新沢庵漬け。 紀ノ川沢庵は値段が高いけれど、昔懐かしい味で、駅ビルの京漬物店に行くともう、香りで参ってしまう。 島ラッキョウや行者ニンニクの漬物まで置いてある、おいしそうだけど高価でめったに買えません。
 私のらっきょう漬けも我ながら良い出来栄え。甘さの加減もいいみたい、たっぷりあるし。  10.13(火)



世界の株安
 1987年秋にブラックマンデーがあった。株式の大暴落が起こり、少しだけ株を持っていたので成り行きを見守っていたのですが、予想とおり数か月で持ち直した。それに僅かの投資なので冷静でいた。 そして次が湾岸戦争後、持ち直すに時間のかかる大暴落がおこり、以来、株の投資は注意を要すと感じてきた。好景気の増資で勝手に増えるものありで、銀行預金の利率よりはるかに効率がよかった。 そしてそのあと、それまで増えた分がそっくりなくなる事態にー。 結局は損をしてもいないものの、働かずに得る金のはかなさ、泡、バブルを思い知ったのでした。

 さて今度の魔の水曜日、みたこともない急降下のグラフを示す株式市場、アナウンサーまで絶叫する、世界同時の株の大暴落、かつてない規模のようです。 ここにきて破産しそうな国があらわれ、アイスランドは国の存亡の危機にあるという。
 すべての発端は、貧しい人向けの無計画、愛情のない、膨大な額の債権の破たん。 世界のポリスどころか、世の厄病神になった当事国は、世界中を不安と不幸のどん底に陥れ自分も痛手を負い、これから何をし、何を考えていくのだろう。 

 二年前は低金利を嫌気し、ブームのようになった株式はネット取引も大いに沸いていたのに、この短期間で転覆船のありさま。 株とは無縁の人々をも巻き込み、夢と希望がまっくらになっている。  しかし一方で、裕福な人々はいて、タンス預金の額が巨大だといいます。 本当ならなんとも羨ましい話で、国力が衰えているわけでもないということなのか、国が信用を落としている証でしょうか。

 社会はいつも不条理と同時進行する。でも今の時代を百年後、風俗は乱れ肉親の愛薄く、格差の歪みでねじれた大変に不幸な時代であった、とか記されるかもしれない。 かつてのローマ帝国のように、あっという間に衰退・崩壊する大国もあるかもしれない。   10.10(金)
  



緒形 拳の昇天
 「優駿」という映画で、主役が緒形のジュニアと知ってからだいぶ経つ。 二男の直人さんは、今風の細い顎をしていても面影が父似。 とにかく存在がデカイ、やさしい男だった、と父親を評し語った。 三日泣きあかしたという一家、父の死は誰にも哀しい。

 チャンネルを回すとどこでも緒形 拳、という時代があった。 甘くなく、お茶目な雰囲気もある緒形 拳は、善悪何でもこなす俳優だった。 NHK大河『太閤記』に始まり映画『楢山節考』、『復讐するは我にあり』、『おろしや国酔夢譚』等特に思いで深いが、私の一番は新宿紀伊国屋ホールでの舞台、『北斎漫画』。 画狂人葛飾北斎を演じ、老人役のあまりのうまさと存在感に本来は、新国劇出身の舞台俳優なのだと実感した。 そのころ40代だった拳さんはすらりと長身で頭が小さくひょうひょうとした着流しが、祖父にどこか似ていて親しみを感じたものでした。 

 昨年の『NHK大河 風林火山』の上杉の重臣、宇佐美役が最後に見た姿だった。 ネットで人物を確認すると、太閤記以来、なんとも多岐にわたる活躍ぶりに驚きます。

 最後の緒形さんを良く支えたのは、オーイという名の、いつの間にか家族になっていた野良出身の猫だったそうです。 ねこは、闘病生活のいちばんの話相手だったことでしょう―。  10.8(水)



お寺の花
 日曜日に久々座禅に行った。 花壇は秋草が咲きそろい、秋の風情でいっぱいにー。 天井の高い座禅堂は、「気」がいい。 でも窓の外の小鳥は、何を話すか大きな声で鳴きやまず。 野鳥にも事情があり、いろいろしゃべりたいことがあるのでしょうが鳥たちは、いったい何をもめているのかしらと気になって雑念が消えない、修行が足りない。 

 40分を休みを入れて3回、脚はともかく、最後のお勤め、読経は今日は体力がいり、とても空腹感になり夕食はモリモリ食べてしまいました。 祖寛禅尼さまからクリシメジご飯とお菓子、そして大きな花束を頂いた。 同世代なのに母のようにいつも優しい。 水引草、ホトトギス、コスモス三色にフジバカマ、シュウメイ菊ほか、花屋さんにない秋草、数えて十三種ほどの、自然で威張らない、きれいな野の花です。

 時々一緒になるYさんの父上は、この尼寺に埋葬されているそうで、境内のお地蔵さまや観音様など全部にお参りしていた。 誰にも忘れられない父がいる。 10月5日は私の亡き父の誕生日、恒例だった栗ごはんといっしょに思い出す日。 
        
   10.6(月)



うちの稲
 去年の秋に中央道談合坂の売店で飾り稲の穂を買いました。 これを種籾に、ためしにバケツ農法をやったら、あらら、盛夏穂が出て咲いて、遅まきに実りつつある。植物は可愛い、ネコも可愛い。
 稲を毎朝見れるとは…、何でも試してみるものです、肥料は勝手にあるものを入れたのでしたが水やりで明け暮れたこの夏でした。

        

 稲の葉は強いので、猫が食べると胃がやられる、草吐きに血が混じるのです、こわこわ。 好奇心いっぱいのはな、阻止するのに一苦労です。 10.3(金)




秋が来た
 今年の秋はいつも今年の秋、去年の秋とは全く違う。 毎年少しづつ人も世の中も変わって、菊の花がおなじに咲いても、ひとばかりは、「歳歳年年不同人」。 新しく出会った人もいればいつの間にか遠ざかる人もある、なんて忙しい。

 夏とちがって過ぎ去るのが惜しいここちよい冷気の秋が来ました。 果物がいっぱいの店頭。  寒がり猫はもう日向ぼっこを始めている―。
      2008.10.2(木)