2018 3月 の 詩






          めんこい仔馬



      
     サトウハチロー
          

                    
1 ぬれた仔馬のたてがみを
  なでりゃ両手に朝のつゆ
  呼べば答えてめんこいぞ オーラ
  かけていこうかよ 丘の道
  ハイド ハイドウ 丘の道

2 わらの上から育ててよ
  今じゃ毛なみも光ってる
  おなかこわすな 風邪ひくな オーラ
  元気に高くないてみろ
  ハイド ハイドウ ないてみろ

3 西のお空は夕焼けだ
  仔馬かえろう おうちには
  おまえの母さん まっている オーラ
  歌ってやろかよ 山の歌
  ハイド ハイドウ 山の歌

4 月が出た出た まんまるだ
  仔馬のおへやも明るいぞ
  よい夢ごらんよ ねんねしな オーラ
  あしたは朝からまたあそぼ
  ハイド ハイドウ またあそぼ
           
           

                                                                       


 今月のポエム

 ♪詩歌
こころを旅す...

無機質な時代のなかに埋もれた先人たちの言葉と心にひと時、耳傾けてみます。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8  9月 10月 11月 12月
2003   秋刀魚の歌(佐藤 春夫) 落葉松 (北原白秋 冬が来た(高村光太郎)
2004 自分の感受性ぐらい
(茨木のり子)
一握の砂(石川啄木) 松の針(宮沢賢治) 瓦のうへ (三好達治) あどけない話
(高村光太郎)
赤 光(斉藤 茂吉)   朝  (串田孫一)  のちのおもひに(立原道造) 小さい秋見つけた

(サトウハチロー)
旅 情 (石垣りん) ちいさな木の実(海野 洋司)
ふるさとの(三木 露風)
海辺の恋 (佐藤 春夫)
2005 この世のなかにある(石垣りん) 生ひ立ちの歌(中原 中也) ゴンドラの歌(吉井 勇) 春の詠(古今和歌集ほか)
緑色の笛(萩原朔太郎)
海の若者(佐藤 春夫) 黒潮の詩(田中一村) 好意 ほか(串田 孫一)
箱根八里(鳥居まこと)
 風に寄す(神保光太郎) 夏は過ぎ去った
(エミリ・ディキンソン)
山の吊橋 (横井 弘) 霧の中
(ヘルマン・ヘッセ)
冬の雨
(金子みすず)
2006 雪山賛歌(西堀栄三郎 雪の降る街を(内村 直也) 千曲川旅情歌(島崎藤村) 北国の春(いで はく) 草千里濱(三好達治) この六月(新川 和江) 愛する神の歌津村 信夫)  私が一番綺麗だったとき(茨木のり子) あざみの歌(横井弘) 秋風のこころよさに
(石川啄木)
千の風になって新井満訳
危  険(天野 忠)
鯰 (高村光太郎)
2007 冬景色  不 詳 鬼火の色(荒川 法勝) 故郷を離るる歌
(吉丸一昌)
春の日の花と耀く(トマス・ムア) 長い間都会に
(ジョン・キーツ)
少年の日(佐藤 春夫) 海の風景(堀口大學)  旅と滞在(小野十三郎) 永遠にやって来ない女性
(室生犀星)
山頂の老爺(井上康文) 静穏な生活
(アレクサンダー・ポウプ
かもめさん(谷川俊太郎)
2008 一月一日千家尊福 明日金子みすず フイエーゾレ(ヘルマン・ヘッセ) にしき木(石川啄木) 紅孔雀(北村 寿夫) 小出新道(萩原朔太郎) 夢のひとに(大岡 信)  金槐和歌集(源 実朝) 竹林の七賢人(北原白秋) 蚕の詩(真壁 仁) 悲しみよこんにちは
(エリュアール)
荒野の果てに(賛美歌)
2009 黒田節(黒田藩士) 名声宮沢 賢治 蛍の光(稲垣千頴) 春の詠
与謝野晶子)
佐久の草笛(佐藤春夫)  案 内(高村光太郎) 題のない歌(萩原朔太郎)  浅間山(有本 芳水)  路 上(若山牧水) 馬車(佐藤春夫) 一本の竹(百田宗次) 戸隠姫(津村信夫)
2010 新年(武原はん) 夢淡き東京(サトウハチロー) 荒城の月(土井晩翠) 才女(小学唱歌 五月に寄せる歌(ジョン・キーツ) 古いノートから(小海永二) 牧師館(安西 均)  夏の句 (小林一茶) 詩(堀 辰雄) 里の秋(斎藤信夫 秋の詠百人一首 聖 夜
2011 道  程(高村光太郎) ペチカ(北原白秋) 耳に響く音楽は美しい
(ジョン・キーツ)
漁業の歌(中村秋香) 五つの湖(金子光晴) わか葉(松永みやお) 母(ザ・ビートルズ) 慈しみ(仏陀) 甘たるく感傷的な歌
(立原道造)
南部牛追い歌
岩手県民謡
秋(北原白秋) サーカスの歌(西条八十
2012 海のかなたは(荒川法勝) 少年思慕調(神保光太郎)
早春譜
(吉丸一昌)
青葉の笛(大和田建樹) 旅上
(萩原朔太郎)
ルバイヤート
(オマル・ハイヤーム)
あらたま(斎藤茂吉)  南の島唄(岩谷時子) また落葉林で
(立原道造)
落 葉
(千家元磨)
日のおちぼ(蒲原有明) 倚りかからず
茨木のり子)
2013

土壌の世界
(レ―チェル・カーソン)
心の窓にともしびを
(横井弘)
なのだソング
(井上ひさし)
平和は森の中にある
(フランシス・ジャム)
一握の砂(石川啄木) 詩人(西条八十) 夏のおもいで(江間章子)  槍の穂の歌( 窪田空穂) たより(立原道造) むらさきの想い出
(いま はるべ)
独り歌へる
(若山牧水)
十国峠の白い花(石本美由紀)
2014
黒猫
(与謝野晶子)
ヒーリング・キャット(葉祥明)
春雨(作者詳) 縁側で夢を(三間由紀子) 角兵衛獅子の唄(西条八十) 六月の雨(中原中也) 万葉集うた  海よ(立原道造) 十五夜お月さん(野口雨情) 故郷(若山牧水) 秋の句(松尾芭蕉) 冬の夜
(文部省唱歌
2015 さのさ(作者不詳) 枕上口上(三好達治) 花かげ
(大村主計)
闇路(近藤朔風) 山頭火句集(種田山頭火) わすれなぐさ(ウィルヘルム・アレント) 鎌倉(芳賀 矢一)  長崎の鐘(サトウ・ハチロー 愛猫(室生犀星) 曼珠沙華(北顔原白秋) 静かなる卓上
(室生犀星)
猫の句
2016 緑の地平線(佐藤惣之助) 永訣の朝(宮澤賢治) わたしの猫(三好達治) 江梨子
(佐伯孝夫)
苗(室生犀星) 城が島の雨(北原白秋) 武原はん句集 芭蕉句集 夏( 松尾芭蕉) アメージング・グレース(J・ニュートン) 柿の木坂の家(石本美由起) いろはうた イムジン河
(パク・ソヨン)
 2017  寒雲(斉藤茂吉)  ケサラ(フォンタナ)  我が良き共よ(吉田拓郎)  くじけないで(柴田トヨ)  春の句(松尾芭蕉)  六月(茨木のり子)  青春は雲の彼方へ(猪又 良)  神様(柴田 トヨ)   あなたの笑顔(星乃ミミナ) 月草(室生星犀) 秋の句(松尾芭蕉)  二つのギター(ロシア民謡)
 2018  ちんちん千鳥(北原白秋)  春よこい(荒井由美)  めんこい仔馬(サトウ)ハチロー                  

 Link
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心に沁みるたくさんの詩が納められています。愛犬「こむぎ」ちゃ
んの独り言、四季の花写真やエッセイなども楽しめます。
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      2018 2月 の 詩






                  春 よ こ い



           
       
松任谷 由美





           淡き光立つ 俄雨
           愛し面影の沈丁花
           溢るる涙の蕾から
           ひとつ ひとつ香り始める
           
           それは それは 空を越えて
           やがて やがて 迎えに来る
      
            春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに 
            愛をくれし君の懐かしき声がする

           君に預けし我が心は
           今でも返事を待っています
           どれほど月日が流れても
           ずっと ずっと 待っています
           それは それは 明日を越えて
           いつか いつか きっと届く

            春よ 未だ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
            愛をくれし君の まなざしが肩を抱く

           春よ 浅き夢よ 私はここにいます
           君を想いながら ひとり歩いています
           流るる雨のごとく 流るる花のごとく

   
            春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに 
            愛をくれし君の懐かしき声がする
 
           
            春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
            愛をくれし君の まなざしが肩を抱く

           








  2018 1 月 の 詩




                  ちんちん千鳥


                     北原 白秋
          

                    

                    
ちんちん千鳥の啼く夜さは 啼く夜さは
              硝子戸閉めてもまだ寒い まだ寒い


              ちんちん千鳥の啼く声は 啼く声は
              燈りを消してもまだ消えぬ まだ消えぬ


              ちんちん千鳥は親無いか 親無いか
              夜風に吹かれて川の上 川の上


              ちんちん千鳥よお寝(よ)らぬか 
お寝(よ)らぬか
              夜明けの明星が早や白む 早や白む